【第7日第4試合】『涙キラリ、甲子園を去る球児達』第26章

【甲子園】8/13大会第7日第4試合
2回戦:鳴門(徳島)5-2智弁学園(奈良)
鳴門、逆転勝ちで春の王者倒す!!
鳴門は3回戦進出。次戦は、16日(火)、大会第10日第3試合で盛岡大付(岩手)と対戦する。

【涙キラリ、甲子園を去る球児達】
- 見えない敵と戦った春の王者 (奈良代表・智弁学園)-

春の選抜優勝校。それはその後訪れる夏の大会まで地元だけではなく全国で追われる立場になることを意味する。

今夏、参加3,876校の中で、唯一、智弁学園だけが挑戦できる春夏連覇を目指す権利。そんな勲章は「勝って当たり前」という重圧という、ある種最も困難な見えない敵との戦いが伴う。

多くの学校が「打倒智弁」に燃える奈良大会。

3回戦、準決勝、決勝と1点差試合を勝ち抜いた。どちらが勝者になってもおかしくない薄氷を踏む戦いを制して手にした2年ぶり18回目の切符。それは史上8校目となる春夏連覇を目指して聖地に乗り込むことを意味する。

全国の注目を浴びる中、初戦、出雲に快勝した。

そして、今日の2回戦、5年連続出場の徳島・鳴門に苦しんだ。終盤に守備の乱れもあって致命的な勝ち越し点を与えてしまった。

春夏連覇の夢は潰えた。

簡単ではない。去年までの選抜大会87回の歴史上、たった7校しか成し遂げていないのだ。延べ80校は夏の頂点までたどり着けない。

むしろ、「負けて当たり前」が正しい。

そして、選抜王者の大半が独特のムードの中、その瞬間(終戦)を迎える。

試合中、エース村上君を中心に笑顔が印象に残った智弁ナイン。この重圧を笑顔で乗り切ることに決めていた。試合後、岡沢主将は悔しさの一方で、「“必笑”は最後までやりきれた」と誇った。

特別な夏は終わった。王者は笑顔で甲子園を去った。
(了)
Aug 13, 2016 10:17pm

【参照】

全てはこの瞬間のために! Kaispo2016