【第8日第4試合】『涙キラリ、甲子園を去る球児達』第30章
【甲子園】8/14大会第8日第4試合
2回戦:履正社(大阪)5-1横浜(神奈川)
強豪対決は雨の中断戦を制した履正社!!
【涙キラリ、甲子園を去る球児達】
- 明暗分けた1時間23分の間(ま) ~横浜の背番号1~ (神奈川代表・横浜)-
3年ぶり16回目の夏の出場となった横浜。戦力は充実している。投手はプロ注目右腕・藤平君に、安定感のある左腕・石川君とエース級が2枚。打線は神奈川大会14本塁打を打ち、大会新記録樹立。野手にも実力選手がずらりと並び、松坂を擁した80回大会の全国制覇の再来を充分に予感させながら甲子園に乗り込んだ。
初戦の東北戦。打っては1本塁打を含む16安打。神奈川大会から続く、藤平君、石川君の継投もばっちり決まった。
2回戦の相手はくじのいたずら。
同じくこの夏、頂きを目指す、剛腕寺島君を擁する履正社と早くも対戦が決まった。
初回、村田君の犠牲フライで先制。ペースをつかんだかに見えた。
2回裏、横浜の守りの間、雷雨で約40分間に渡る2度の中断が発生した。1度目の中断あけ、先発の石川君は3ランを浴び逆転を許した。さらに8番山本君に四球を与えると再び、40分間の中断。2度目の中断あけ、石川君は暴投と死球で完全にペースを失い、想定外の状態でマウンドを藤平君に譲った。その藤平君も初球を2塁打され、2点を失い、4点差がついた。
横浜は藤平君と石川君らの継投が本来のスタイル。今日も普段通りを貫いた。しかし、守りの1イニングの間で合計1時間23分間に及ぶ中断は想定外。失点は全て中断あけのことだった。
終わってみればその2回裏が明暗を分けた。
肩が冷える。中断の影響がなかったと言えば嘘になるだろう。
試合後の藤平君、「自分と石川が2人で5点取られたことが敗因。自分がエースとしてしっかり抑えられなかった。あそこ(2回)が勝負の分かれ目だった」。
横浜のエース番号を背負っている。言い訳はしない。どんな状況であれ、点をやらないのがエースだ。
3回以降、中断はなく、横浜・藤平君、履正社・寺島君のハイレベルな投げ合いに甲子園にとどまった3万8千人のファンは酔いしれた。
「寺島君との投げ合いは楽しかった。これからもライバル視したい」。
全国制覇はライバルに託す。
でも今後の野球人生では負けるつもりはない。
(了)
Aug 15, 2016 1:30am
【参照】
目指せ、夏の頂点! Kaispo2016