【第13日第1試合】『涙キラリ、甲子園を去る球児達』第46章
【甲子園】 8/20大会第13日第1試合
【涙キラリ、甲子園を去る球児達~第46章~】
昨夏、今春と甲子園では初戦敗退しており、初戦では負けない明徳義塾にとっては2季連続で屈辱を味わった。
高知大会の打率は3割1分8厘と高くない。今年のチームは投手を中心とした守りのチームだ。
甲子園では投打ががっちり噛み合った。準々決勝までの3試合で、エース中野君は20回無失点。守備は3試合で1失策。2試合を2桁安打で準決勝まで駒を進めた。
今日の準決勝。相手は最速152キロ右腕の今井君を擁する作新学院。
先発中野君が初回に早々と2点を許し、無失点投球は潰える。歯車は狂っていた。その後も投手陣が打たれ、15被安打10失点。さらに4失策がことごとく失点に結びついてしまった。
一方で負けはしたが、好投手の多い作新投手陣から10安打を放った。選手たちは何度も何度も1塁にヘッドスライディングして逆転を信じた。明徳のピンストライプのユニフォームは原型を留めない程にどろんこになった。これが高知大会7連覇する強豪の意地だ。
しかし10失点は明徳史上最多失点での敗北でもあった
大会中、あと3勝したら引退すると話していた馬淵監督だが、試合後、「守りの明徳が4つのエラーをしたら勝てない。それだけ悔いが残る」と無念の表情を隠しきれない。
そんな百戦錬磨の馬淵監督のエピソードがある。
第83回大会(2001年)、早々と2回戦で敗退した馬淵監督は、その日のうちに選手たちを高知に帰郷させて、その日から新チームの練習を開始したという。翌年、見事全国制覇を達成した。
先輩達と泥んこになった2年生達には来年がある。
馬淵監督、「秋の明治神宮大会、来年の選抜は優勝しますよ。見とってください」。
明徳義塾は負けて強くなる。選手たちと名将の悔しさが最高潮の中、2度目の全国制覇に向けて新チームがスタートする。
(了)
Aug 21, 2016 12:24pm
【参照】
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