【第13日第2試合】『涙キラリ、甲子園を去る球児達』第47章



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イメージ 3【甲子園】8/20大会第13日第2試合
準決勝:北海(南北海道)4-3秀岳館(熊本)
エース大西、終盤の追い上げ振り切り、北海初の決勝進出!
北海は明日(21日)14時から作新学院(栃木)と優勝戦を戦う。


【涙キラリ、甲子園を去る球児達~第47章~】
-  熊本代表・秀岳館 (熊本代表・秀岳館)-

春夏連続、夏は15年ぶり2回目の出場となった。今春の選抜でベスト4も、全国制覇を目標に掲げるチーム。そして地震の被災地からの出場とあって、より強い使命を受けて大旗どりに挑んだ。

準々決勝までの戦いは安定していた。2試合で2桁安打を記録し、3試合全てで先制した。

頂点まであと2つまできた。

今日の準決勝・北海(南北海道)戦は今までの展開とは違った。初回の先制機に俊足・原田君が盗塁死。さらには相手の好守もあって無得点に終わった。攻撃のチャンスがむしろ相手の好守を呼び込んでしまい、流れを渡してしまったような〝どんより感“の中、回を重ねていった。

試合は7回にようやく1点を返し、8回に4番九鬼君の右前安打を相手右翼手が後逸する間に一気に本塁まで生還する等、2点を返し、1点差まで迫ったが、逆転はできず力尽きた。

県外出身者が多い為、一部に批判もあった。しかし、今日の終盤、甲子園球場は3塁側内野スタンドを中心に声援、手拍子が沸き起こった。目の前で一生懸命に、同点、逆転を信じてボールに食らいつき、本塁を目指し全力疾走する選手たちに観衆は声援と手拍子で後押しした。

試合後、多くの選手が泣き崩れた。全国制覇が目標だったチームは、熊本地震を経験し、それがいつしか全国制覇することで、熊本県民を勇気付けたいという想いに変わった。地震後、廃材を片付けるボランティアにも参加した。

主将の九鬼君、「日本一が一番の恩返しだと思っていたのに...」と泣きじゃくった。

15歳で親元を離れ、震災も経験した。自分達の夢から県民の希望へ。
多くのものを背負って戦った熊本代表・秀岳館の夏は終わった。
(了)
Aug 21, 2016 12:41pm


【参照】


全てをかけて!頂点まであと2つ!! 
Kaispo2016