【第12日決勝】『若人の夢、球春到来!!』第12(最終)章

【第89回春センバツ】大会第12日‐2017年4月1日
雨で1日順延となった決勝戦が行われ、大阪桐蔭履正社を下し、5年ぶり2回目の選抜優勝を飾った。史上初の大阪勢同士の決勝戦は4万人の観衆が見守る中、4本塁打を放った大阪桐蔭が終盤追いすがる履正社を振り切った。大阪勢の春優勝は2012年第84回大会の大阪桐蔭以来、5年ぶり10回目。

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-決勝-
大阪桐蔭(大阪)8-3履正社(大阪)
4本塁打大阪桐蔭が2度目のV!
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大阪桐蔭は初回、藤原君の先頭本塁打で先制。2回には7番坂之下君がソロ本塁打、6回には藤原君が2本目のソロ本塁打を放ち、6回までに3-0とリードした。8回に履正社に同点とされたが、9回にエース徳山君の代打西島君が2点本塁打を放ち勝ち越し、試合を決めた。先発したエース徳山君は8回に連打を浴び同点とされたものの7回までは2安打に抑える好投。履正社は中盤まで攻めあぐねたが、ようやく8回に4連打を絡め、同点に追いついたが9回の5失点で力尽きた。



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【球運の陰で ~大阪桐蔭・西島一波君~】
8回裏に同点に追いつかれた大阪桐蔭。それまでの優勢からの終盤の同点劇。相手の行け行けムードに球場は支配された。
 
9回表、1死二塁の場面。西谷監督を見つめた控え捕手の無言のアピールが、エース徳山を代えるという勇気のいる決断の背中を押した。
 
2ボール1ストライクからの4球目。インコースの直球を振り抜いた。
 
「レフトフライかなと思った」打球はフェンスを越え、同点とされた直後の雰囲気を一転させた。終わってみれば、この本塁打による2点が決勝点となった。
 
西島一波。背番号18をつける2年生の控えの捕手だ。この日も初回から控え投手のブルペン捕手を務めていた。打席に立つ前に十分な素振りの時間はなかった。そんな西島はなぜ9回の重要な場面で自信をもって百戦錬磨の監督にアピールできたのだろうか。
 
西島は言う、「(監督と)目が合った。いつでも準備はできていた」。
 
準備。
 
ブルペン捕手をしていた西島は、素振りはできずとも、ファウルグランドから相手投手を観察し続けていた。
 
勝戦を前に、履正社から5点を奪った日大三の打撃を映像で見て分析した。日大三打線が履正社エース竹田から放つ低い打球。上からたたくイメージを植え付けた。
 
そして、第1ストライクから振っていく大阪桐蔭の代打の伝統。この打席でも実践した。
 
そうやって虎視眈々と準備を進めた西島には、大事な甲子園の決勝戦の終盤でさえ不安はなかった。
 
準備をすれば不安を限りなく最小限にすることができる。徹底して準備をすれば不安や迷いは消え、自信へと変えていける。
 
追いつかれた側のチームの不安を西島の自信の一振りで一掃した。
 
大阪桐蔭は春の選抜で優勝する為に一人一人が準備を重ねてきた結果が自信となって、この決勝戦をも勝ちきる原動力となったのだろう。
 
西島の徹底した準備から生まれた本塁打大阪桐蔭の強さの一端をみた。
(了)

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 【ファイナリストの横顔 優勝校・大阪桐蔭
大阪桐蔭は3年連続9回目の出場。昨秋は大阪大会3位、近畿大会ベスト4。
今大会は、1回戦で宇部鴻城を11-0で大勝、2回戦の静岡戦は初回に6点ずつを取り合う乱打戦を制し、準々決勝は東海大福岡に4-2で競り勝ち、準決勝は4季連続4強入りした秀岳館を2-1で破った。大阪勢対決となった履正社との決勝は8-3で勝ち優勝を決めた。投手力はエースの徳山を中心に140キロ超の速球を持つ投手が3枚と切れ目のない打撃と投打がかみあった見事な優勝劇だった。
過去、大阪桐蔭の決勝での勝敗は春夏通じて6戦全勝。甲子園での優勝回数は6回(春2回、夏4回)となり、歴代単独5位となった。今日の勝利で甲子園学校通算50勝目。
全国から追われる立場になると同時に、史上初2度目の春夏連覇の権利を得て、夏に挑む。


【ファイナリストの横顔 準優勝校・履正社
履正社は3年ぶり7回目の出場。昨秋は大阪大会準優勝、近畿大会優勝、明治神宮大会優勝。今大会は2014年第86回大会以来の春準優勝。1回戦屈指の好カードとされた日大三戦を12-5で勝ち、2回戦の市立呉戦は1-0の勝利。準々決勝は盛岡大付を8-1で快勝すると、準決勝は報徳学園との接戦を制して決勝に進出した。今大会は明治神宮大会の優勝校でもあり優勝候補筆頭と呼ばれる中、エース竹田の安定した投球と大会屈指のスラッガー・安田を擁した強力打線で前評判通りの活躍を見せ、見事決勝戦まで勝ち上がった。
履正社・岡田龍生監督は「選手は粘ってよく頑張った。今のままでは大阪を勝ち抜くのは難しい。投手力を上げないといけない」と夏への課題を口にした。大阪は決勝戦を戦った両校以外にも昨秋府大会優勝、近畿大会ベスト8の上宮太子金光大阪など、強豪ひしめく最激戦区の一つ。そんな大阪からでさえ夏の甲子園出場は1校だけ。全国制覇の前に大阪制覇の難所を勝ち抜く履正社のリベンジの夏が始まる。

野球王国のプライド、センバツ最終章!
Kaispo2017!!