第7日 ~79回センバツコラム~

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大会第7日 3月29日(木)の試合結果
①熊本工6-3千葉経済大付(延長12回) ②室戸4-1宇部商 ③帝京12-4市川
今日の本塁打・・・0

☆今日のKAIスポは!?☆
3試合とも初出場校対常連校の激突となった第7日の甲子園。第1試合は延長12回の熱闘を制した熊本工が20年ぶりのベスト8進出。第2試合は初戦報徳に勝って勢いに乗る室戸が終盤に宇部商を振り切り初のベスト8進出。第3試合は、相手投手の乱れに乗じて効率よく得点した帝京が初戦に続く大勝で三沢投手を擁して優勝した64回大会以来15年ぶりのベスト8進出を決めた。今日のKAIスポは、初戦で20奪三振を記録したエースが2回に突然の降板。いきなり登板のリリーフエースの運命は!?


大会第8日 3月30日(金)の試合予定
広陵-北陽 ②創造学園大付-関西 ③都城泉ヶ丘-大垣日大


~ “リリーフエース”(東京・帝京)~

初戦、20奪三振を記録した帝京のエース・大田。2回の第一打席に右手親指に死球を受け、退場するアクシデントに見舞われた。いきなりのエース降板の窮地に、早々とマウンドに上がったのは背番号10をつけた左腕の垣ヶ原。予想だにしない早い登板に制球が定まらない。終わってみれば、打線の援護を受け12対4と大勝したものの、与えた四死球は8個を数えた。完投能力もある投手だけに準備不足と動揺から本来の自分の投球とは凡そかけ離れたものだった。

救援投手とは心身ともにタフさが求められる。
観る側にとって短いイニングしか投げない救援投手は先発投手よりもその役割を軽視する傾向がある。しかしある元プロ野球投手が言った「救援であがるマウンドは他人の家にあがるようなもの」とはまさに救援の難しさを的確に表現している。私も高校2年生のときは控えの投手として上級生エースをよく救援したが、いつ登板するかわからない為、登板までの準備はなかなか難しい。試合の状況を見ながら肩を造るという体力的な面はもとより登板に向けた気持ちのコントロールには本当に苦労した。

記憶に残るのは高校2年時の夏の愛媛大会での松山商との試合。強豪との対戦とあって初回から投球練習を始めたが、登板したのは7回途中。その間、登板をにおわすポイントが幾度とあり、投球練習で肩は消耗し、気持ちや神経もボロボロだった。結果的に無失点救援したのだが、人が長く投げたマウンドや観客の視線はまさに「他人の家」。早く「自分の家」にする為に普段以上に腕を振った。

帝京の垣ヶ原は、昨夏、この春と地方大会から何度も救援して大田を支えた。その存在があるからこそエースはエースとしての投球ができるのだ。「ピンチの時に投げるのが好き」と語る救援投手としての資質を備える垣ヶ原。今日の経験が本来の実力を目覚めさせるものとなったとしたら、今大会の帝京はこわい。