第9日 ~79回センバツコラム~

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大会第9日 3月31日(土)の試合結果
常葉菊川2-1大阪桐蔭 ②熊本工5-3室戸
今日の本塁打・・・0

☆今日のKAIスポは!?☆
準々決勝最初の2試合が行われた第9日。今大会2番目に多い39,000人が詰め掛けた。今日は怪物・中田の登場とあって早朝から多くのファンが開門待ちの列をなした。注目の第1試合は2回戦で17三振を奪った常葉菊川・田中と投打に注目を浴びる大阪桐蔭・中田の投げ合いとなったが、8回に同点に追いついた常葉菊川が、9回にも両校通じて唯一の連打で勝ち越し点を挙げ、強打の大阪桐蔭を退け初のベスト4進出を決めた。中田は無安打に終わった。第2試合は3回に室戸・エース森澤の制球難から押出しと適時打で4点を挙げた熊本工が49年ぶりにベスト4に駒を進めた。室戸は先制し、9回にも追い上げを見せただけに、3回の4失点が悔やまれる。

今日のKAIスポは、怪物・中田特集!?


大会第10日 4月1日(日)の試合予定
―準々決勝―
①帝京-広陵 ②関西-大垣日大

大会第11日 4月2日(月)の試合予定
―準決勝―
常葉菊川-熊本工 ②帝京・広陵の勝者-関西・大垣日大の勝者


~ 怪物に伸びしろ (大阪桐蔭中田翔)~

投打にプロ注目の大阪桐蔭・中田の春はベスト8で幕を閉じた。今日の常葉菊川戦。4番ピッチャーとして投打の軸として出場したが、1対2で敗退した。2失点の中田を責めることはできまい。しかし、高校球界、もっと言えば、プロ野球の将来を担う逸材だけに敗因の分析はしっかりしておきたい。


まずは、ピッチング。今日の成績は、9回7安打4奪三振3四球自責点2。数字的には及第点だろう。しかし、数字以上に苦しいマウンドだったはずだ。甲子園で観ていると、立ち上がりに制球に苦しんだ上、常葉菊川打線はファールやアウトになった打球でも芯を捉えた打球が多かった。常葉菊川打線は崩されることなく対応していた。

この原因の一つは、投球フォームだ。肘がやや横からでてしなりが少ない分、183cmの身長の割りにボールに角度がない。しなりの少なさがボールが高めに浮き、制球に苦労したのだろう。

もう一つは、ウィニングショットだ。今日の中田の最速は151キロだったが、過去の速球派投手と比べても派手な奪三振ショーはない。これは、そういったフォームの問題と決め球となる変化球に乏しいことが言えるだろう。三振を多くとることが良いといっているのではないが、1点を争う試合ではここ一番でのウィニングショットをもっていることは重要だ。中田の変化球はスライダーがメインだが、球速が速い為、直球に合わせている打者に対してタイミングを崩しきれていない。夏までに落ちるボールや大きなカーブを習得すると投球の幅が広がるだろう。今日の8回、9回もピンチで三振を取りにいっているが決めきれず四球になったり、直球を狙われて合わされて失点につながった。しかし、このレベルで依然、伸びしろがあるということ自体がおそろしい。


打撃については、高校通算74本塁打の打者に私が指摘する必要はなかろう。今日は無安打に終わったが、フライの高さは超高校級スラッガーである証しであったし、バッターボックスへ向かう時、場内から拍手が沸く選手は、歴史上稀だ。打席の雰囲気は清原を彷彿とさせ、これだけ注目されても決しておごることのない謙虚さは松井を彷彿とさせる。

私は、中田はプロ入り後、ルーキーで4番を打てる逸材であると評価している。今日流した悔し涙が、さらに大物へと進化を遂げる原動力となると思えば、今後、彼を見ていくことが一層楽しみになってくる。