【第9日第2試合】『涙キラリ、甲子園を去る球児達』第32章
【甲子園】8/15大会第9日第2試合
2回戦:花咲徳栄(埼玉)6-3 樟南(鹿児島)
花咲徳栄、逆転勝ちで3回戦へ!
【涙キラリ、甲子園を去る球児達】
- 遠かった甲子園 (鹿児島代表・樟南)-
「やりきりました。つらいことはいろいろあったけど、甲子園では楽しくプレーできた。悔いはありません」
今日の試合後の樟南エース、浜屋君の談話だ。
鹿児島大会決勝再試合だけではない。この1年、つらい我慢の1年を過ごしてきた。
昨夏の鹿児島大会。
初戦の鹿児島情報戦。2-2で同点で迎えた6回、エースの畠中君が熱中症で降板。救急搬送されるアクシデントに見舞われた。急遽登板した浜屋君は7回に2失点。2-4で涙を呑んだ。この時の捕手も現チームで正捕手の前川君だった。樟南の県大会初戦敗退は9年ぶりの出来事だった。
先輩達の夏を初戦で終わらせてしまった2年生バッテリー。
悲しみからの出発だった。
今年の鹿児島大会。
決勝の相手はともに県内最多18回の甲子園出場を誇る鹿児島実とのライバル決戦。浜屋君と畠中君の両左腕と前川君のバッテリーは1-1の張り詰める投手戦を演じたが、決着は着かず延長15回引き分け再試合になった。
甲子園は遠かった。
昨夏初戦敗退後の上園主将の「勝負の世界は厳しい。甲子園は簡単に手の届く場所ではなかった」という言葉が重い。
再試合。
3回に勝ち越した1点を浜屋君、畠中君、そして前川君のバッテリーが守り切った。苦しみ抜いた末の優勝。初戦敗退からリベンジを果たした。
苦しんだ後に踏んだ聖地のマウンドを楽しんだ。試合後の浜屋君に涙はなかった。
(了)
Aug 15, 2016 8:35pm
【参照】
負けたら終わりの緊張感 Kaispo2016