【第11日3回戦】夏のラストプレー!38~41章

【#第99回全国高等学校野球選手権大会 #甲子園】 
大会第11日 2017.8.19
第99回夏の甲子園第11日は、19日、3回戦残り4試合が行われ、ベスト8が出揃った。

【#第99回全国高等学校野球選手権大会 #甲子園】 
大会第11日 2017.8.19
第1試合3回戦:#盛岡大付 (#岩手 28)12-7 #済美 (#愛媛 2)延長10
両校合わせて5本塁打が飛び交う打撃戦を盛岡大付が制した。5回に両校が満塁本塁打を打ち合うなどして7-7で延長戦に入った。盛岡大付は10回に植田の2打席連続となる3点本塁打等で5点を奪い試合を決めた。済美は7回に宇都宮のソロ本塁打で勝ち越したが、9回エース八塚が植田にソロ本塁打を浴び流れを渡してしまった。

☆彡記録と記憶
*1試合5本塁打盛岡大付3本、済美2本)は、06年智辯和歌山(5本)対帝京(2本)戦の7本に次ぐ2位タイ。
盛岡大付・植田の2打席連続本塁打は、今大会の青森山田・中沢(彦根東戦)以来、35人37度目。
*同一イニング満塁本塁打の打ち合いは史上初。
満塁本塁打は、大会通算45本。春は26本。

ラストプレー第38章 - #済美
~一度も負けられない夏。1分1秒でも長く。全ての仲間の想いを背負って挑んだ夏のラストプレー~
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特別コラム
ー野球王国愛媛復活のためにー
#済美 、お疲れさん。いい試合だったが、詰めが甘かった。

最近の愛媛県勢は #甲子園 で勝つことをもっともっと意識して欲しい。私立の学校に選手を集めればどの都道府県でも関係なく強豪校が作れる時代。一つのチームに実力のある選手が集まれば強くて、バラけると一校当たりのチーム力は落ちる。

しかし、野球王国と呼ばれる地域は郷土のどの学校が出ても甲子園で強いからこそそう呼ばれる。都道府県勝利数を見る場合、特定のチームが勝ち星を稼いでいるのか、複数チームが稼いでいるかを見る必要がある。特定のチームが勝ち星を稼いでいる都道府県は野球王国とは呼ばない。

愛媛はかつては野球王国と呼ばれた。そして今後も野球王国を目指すべきで、野球王国愛媛復活のためには甲子園で勝つことをイメージした県全体での競争環境を作り直す、いや取り戻す必要がある。

愛媛は県立高校でも甲子園で上位進出実績が多いのであるから実践できる素地や歴史性はどこよりもある。故上甲監督は「愛媛の野球は強くなくてはいけない」と地域のプライドを持って勝ちにこだわった。だからこそ、絶対に相手をなめない姿勢が常にあった。

今の愛媛に上甲監督がいないのは痛い。

逆説的に言うと、まだ10代の精神的に未完成の高校生が勝ちたいと思うより、指導者である監督が勝ちたいと思う、勝ち気であるという前提がないと甲子園では勝てない。今の愛媛に足りないのは選手ではなく監督である。
(了)


【#第99回全国高等学校野球選手権大会 #甲子園】 
大会第11日 2017.8.19
第2試合3回戦:#花咲徳栄 (#埼玉 5)10-4 #前橋育英 (#群馬 3)
花咲徳栄が初回に3連続長打等で4点を先制し、主導権を握るとその後も得点を重ねて逃げ切った。投げては綱脇から清水へと継投し終盤の前橋育英の反撃をかわした。前橋育英は左腕の丸山が先発したが序盤で5失点、4回から登板したエース皆川も4点失うなどし流れを呼び込めなかった。

☆彡記録と記憶
前橋育英・丸山がこの試合で2個の盗塁を決め、今大会盗塁8を記録。個人1大会最多タイ。

ラストプレー第39章 - #前橋育英
~一度も負けられない夏。1分1秒でも長く。全ての仲間の想いを背負って挑んだ夏のラストプレー~
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【#第99回全国高等学校野球選手権大会 #甲子園】 
大会第11日 2017.8.19
第3試合3回戦:#広陵 (#広島 22)6-4 #聖光学院 (#福島 14)
広陵は4-4の同点の9回、4番の中村の2点本塁打を放ち勝負を決めた。2番手で登板した山本が4回1/3を無安打で無失点の好投を見せ、終盤の勝ち越しにつなげた。聖光学院は初回に先制し、5回に佐藤の2点本塁打等でリードしたが守り切れなかった。

☆彡記録と記憶
広陵・中村はこの試合に本塁打で今大会4本塁打。清原(PL学園)の5本に次ぐ2位タイ。

ラストプレー第40章 - #聖光学院
~一度も負けられない夏。1分1秒でも長く。全ての仲間の想いを背負って挑んだ夏のラストプレー~
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【#第99回全国高等学校野球選手権大会 #甲子園】 
大会第11日 2017.8.19
第4試合3回戦:#仙台育英 (#宮城 26)2×-1 #大阪桐蔭 (#大阪 9)
仙台育英が9回裏、2死満塁から馬目が左中間適時2塁打を放ち一気に2点を奪いサヨナラ勝ちした。試合は先発した仙台育英・長谷川、大阪桐蔭・柿木が好投し、7回まで0-0の緊迫した投手戦となったが、9回2死無走者からの満塁の好機を仙台育英が逃さなかった。大阪桐蔭は8回に中川の左前適時打で先制したが、9回裏2死1,2塁から遊ゴロでゲームセットと思われたが、ファースト中川がショートからの送球を捕球するも1塁ベースを踏み外し、満塁としたのが響いた。大阪桐蔭は史上初の2度目の春夏連覇の夢はついえた。

☆彡記録と記憶
大阪桐蔭は甲子園春夏通算64試合目で初のサヨナラ負け。
仙台育英春夏連覇阻止は13年に浦和学院を破って以来2度目。2度目の阻止は広陵(69年三重、07年常葉菊川)に次いで2校目。

ラストプレー第41章 - #大阪桐蔭
~一度も負けられない夏。1分1秒でも長く。全ての仲間の想いを背負って挑んだ夏のラストプレー~
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特別コラム
ーこの夏、間違いなく大阪桐蔭は強かったー
#大阪桐蔭 は今年もいいチームだった。史上初の2度目の春夏連覇を狙って乗り込んだ甲子園だったが、今日、ベスト8を前に敗れ去った。

3年生にとって最後となる夏の大会で一つ勝つのは難しい。それは、春の王者・大阪桐蔭とて同じだ。そしてサヨナラ勝ちした仙台育英だって同じだ。後がない、負けたら終わりだからどのチームも必死だからだ。だから、精神的プレッシャーや甲子園という独特の雰囲気から、普段何でもないプレーがエラーになったり、大逆転が起こる。

9回2死からショートゴロをさばいた遊撃手からの送球を一塁手の中川君は捕球こそしたがベースを踏み忘れて、打者走者がセーフ。ベースを踏んでいれば試合終了で大阪桐蔭は勝っていた。直後、満塁から適時2塁打を浴びて逆転サヨナラ負けを喫した。

2年生の中川君は自分を責めるだろう。先輩達の夏と春夏連覇の夢を自らのミスで終わらせてしまったという重い十字架を背負うことになるのだろう。

春夏連覇を達成するためには、夏の大会で少なくとも1試合は奇跡的な試合を勝ち抜くといわれている。この試合も7回まで0-0の膠着状態が続いていた。勝負は紙一重の状態だった。選抜王者にとって、この試合が実は派手さはないが、春夏連覇の為に避けて通れない、その奇跡的な試合だったのだろう。

つまり、あのショートゴロで勝てていればそれは奇跡だったんだよ。

なぜなら仙台育英だって必死の必死だからだ。仙台育英にとって、この試合で大阪桐蔭が勝つことが順当ではないのだ。それは見るものの勝手な想いなのであって、彼らにとってこの大会は、大阪桐蔭を倒し、東北に初めて深紅の優勝旗を持ち帰るための大会でもあるのだ。

だから、どうか大阪桐蔭ナインは中川君を責めないでもらいたい。一番悔しいのは本人であり、誰よりも自分を責めるのも本人だからだ。この試合はあのまま順当に勝てる試合では全くなかったのだから。

全国の強豪校の中でも私は大阪桐蔭には好感を持っている。激戦区大阪で甲子園に出場する道を選ぶ覚悟。そして何より、勝ちたい、頂点に登るという目標を堂々と掲げ、それを達成するべく強い意志が選手達からみなぎっているからだ。

だからこそ、甲子園で優勝した時も、負けた時も見るものにひと際感慨深さを強烈に感じさせる。今日の敗戦も悔しかっただろう。本当に悔しかっただろう。君たちの涙の量は優勝した時とて同じだ。全国制覇を達成した時の歓喜に等しい量の悔しさを感じていると思う。

これだけの精神力とパワーをもってしても甲子園で勝つことは難しい。これだけの素晴らしい選手達が本気でぶつかっても春夏連覇は至難の業。このチームは今日の敗戦をもってそれらを証明してくれた。

全国から打倒目標とされる中で、一度も負けられない夏をここまで勝ち続けたこと自体が奇跡とも言っていい。

第99回夏の甲子園

大阪桐蔭は本当に強いチームだった。
(了)

      
魔物が棲む甲子園!! 
TryKoshien Kaispo2017